2017年1月9日月曜日

Collection No.60



No.60 IMCO-TRIPLEX SUPER 6700 トラディショナルスタイル

購入時期: 2016年7月
購入先: ebay(出品者国:ポルトガル)
購入額: $5.25+送料
状態: Not working

コレクション60個目、そして、更新記事100投稿目の節目のライターは、このトラディショナルスタイル(自分が勝手にそう呼んでいる。)の紹介記事になりました。

あちこち錆びており、状態としては決して良い状態ではないのですが、
このスーパーは、ライター内の各所に「このタイプのトリプレックスに関しては、初期の設計では?」と思わせる特徴があります。
その為、復刻版やイムコ社が廃業する直前に流通していたスーパー ( この記事ではまとめて「現行」と表現します。 ) とは違う箇所がいくつもあります。
自分は、このスーパーが、とても資料価値の高い逸品だと思っています。

では、特徴について紹介したいと思います。

■1点目:タンクの形状

やはり、一番目に付くのは、タンクの形状(仕組み?)ではないでしょうか。
現行は、タンクと底蓋の2部品ですが。
この古いタイプは、上蓋・フリントと綿の押さえ・薬莢のような筒の3部品の構成です。古いトリプレックスによく見るタンクです。
(タンクの中身についてCollection No.34の記事が参考になります。)


タンクの底には「IMCO TRIPLEX PATENT MADE IN AUSTRIA SUPER 6700」と刻印があります。

■2点目:ダブルラチェット

次に、ダブルラチェットです。
通常、ヤスリを回す為のラチェットは、左側の1枚しかありません。
しかし、これは右側にもあります。あまり見かけない特徴ですが、無印トリプレックスが同様に2枚のラチェットを持つため、同じくらい古いものと考えています。

■3点目:L字型部品の刻印と形状

L字型部品の刻印も、矢印の刻印です。Amazonで60年代のストリームラインと言われる物を購入した時に、この矢印がありました。矢印の刻印は古いトリプレックスでよく見る特徴です。
また、L字型部品の端(矢印のお尻側のその先)が、横一直線の平になっています。
現行の物は、台形状に角が取れてますが、ここが平らなのも古いトリプレックスでよく見る特徴です。
更に、このスーパーについては、この平らな個所が、別の古いトリプレックスとも若干違いました。これについてはもう少し詳しく見比べてみる必要がありそうです。

■4点目:化粧板の形状

ヤスリを見えないようにする化粧板ですが、そのサイドの折れ曲がった部分について、
現行では、細く尖ったシェイプになっていますが、古いトリプレックスでは丸みを帯びています。
Collection No.34はこれと同じ形状の化粧板です。)

■5点目:着火機構の太いスプリングを留める部品の形状 及び、タンクの留め方
着火機構の太いスプリングを留める部品も、現行とは違います。
現行は、カタカナの「ク」の様な形をして、タンクを留める役目を負っていますが。
古いトリプレックスでは形状が違い、その役目がありません。
(詳細は、StreamLineの修理 其の六の記事が参考になります。)


代わりに、上の写真の真ん中の部分の様に、本体(筐体)部分にタンクを留める仕組みがあります。

■6点目:突き出すフリントチューブ

フリントチューブも、現行では、突き出していませんが、古いトリプレックスでは突き出しています。
恐らく、初期のスーパーは、旧タイプのジュニアやストリームラインと同じ様に突き出して作られていたのだと思います。
ただ、その後、フリントチューブを旧タイプのジュニアやストリームラインと共通化して、太いスプリングを留める部品から突き出さなくなったのでは? と、考えています。
突き出したフリントチューブは古いスーパーの特徴です。

■7点目:アームの番号

アームの番号は、復刻版は全て0番ですし、それ以外も何かしらの番号が刻印されていますが、
この古いトリプレックスでは、数字の刻印がありません。
自分は、この様な事例はもう1点コレクションしていますが、それ以外には見たことがありません。
恐らく、本当に初期の物なのではないでしょうか。

■8点目:フリントチップの形状

フリントスプリングの先端のフリントチップは、古そうなのは比較的大きい物が付いていたりするのですが、
これも例にもれず大きなフリントチップになっています。 すごく、、大きいです。
しかも、他の大きめなフリントチップよりも荒々しいフリントチップです。


実にこれだけもの多くの特徴がありました。そのうち、改めて現行との比較を比較写真付きで記事にしたいと思います。

以前より、タンクの形状だけ、ダブルラチェットだけ、L字型部品の刻印だけ…と、それぞれの個々の特徴はトリプレックスの収集を通じて知っていました。
しかし、それぞれがまとまって1つなってるのは、このスーパーが初めてです。自分の手元に届いたときはとても驚きました。
酷く錆びており、ジャック扱いでしたが、フリントとオイルを入れれば、下の写真の通り着火もできました。そのうち、錆び取りのメンテナンスをしたいですね。

0 件のコメント: