2020年10月25日日曜日

Collection No.96 上蓋の亀裂


前回は、フリントホイール周りが機能するように修理しましたが。
Collection No.96 の上蓋には亀裂があり、蓋を閉じるたびに亀裂が広がる状態です。
今回はこれをロウ付けで修理したいと思います。

ロウ付けは、人生初めての経験になります。
なので材料と道具をそろえる所から調べました。
ロウ付けについては、
彫金をやられてる方やジュエリー職人の方が、YouTubeで動画を上げていたり、
ロウ材・バーナーの発売元も動画を上げていたりして、それらが非常に参考になりました。

今回、用意したのは、
新富士バーナーの「ポケトーチ PT-14FFSKCR」と「細工用銀ロウ フラックス付 RZ-117」です。

ここで、ロウ付け経験のある方は、突っ込みたい気持ちになるかと思いますが。
そこはもう少しこらえて、続きをお読みください。(そうです。このポケトーチは、ハンダ付けに使えると説明書にはあるのですが、ロウ付け用とは書いてないのです。)

作業はこんな感じです。
ロウ付け後に、フラックスの残滓等を落とす為のお湯や真鍮ブラシも用意します。
作業台として(それが適切かどうかは分かりませんが)溶岩レンガを用意しました。

ロウ付け対象の上蓋を、バイスプライヤーで固定します。
写真を拡大してみると、亀裂の状況もわかると思いますが。
ここにフラックスを塗り、ロウ付けします。

緊張のひと時です。

フラックスを塗り、バーナーの火を当てます。
フラックスが、再び液状化?したころを見計らって、ロウ材を当てます。

???

何回かチャレンジします。

???

…orz

結果は下の写真の通りです。
ロウ材が溶けて、フラックスに沿って広がるはずなのですが。
まぁ、この状況を端的に言うと、失敗ですorz
人生初のロウ付けは、失敗でした(-_- ; )
亀裂が埋まらないだけでなく。手前(うっすらと亀裂あり)の個所は芋ハンダ状態です。


この失敗は、ポケットバーナーを選んだ事が原因だと思いますorz
ポケットバーナーでは炎が小さく、その小さな炎では母材の必要な個所をしっかりと温められなかったのだ。と考えました。
作業範囲が細かいので、大きい炎より小さい方が良いだろうと考えたのですが、
考えが甘かった様です。


なので、次はこれです!(ドーン!!

これで再トライです!(注:失敗した翌週です)

確かに母材が良く温まっていそうです。


とは言え、素人では難しく。
なかなかロウ材が入って行きません。
でも、頑張っていますと…


え?あ?ん??
一応、亀裂が埋まったようです。なんでしょうか。またもや芋ハンダの様ですorz


どうしたら良いか分からないので、削ります。(多分それしか方法がない。)


綺麗になりました。


アップの写真でみるとこんな感じです。


もう一枚、別の写真を

実は、亀裂の根本部分は、ロウが入ってない箇所があります。

今回使ったロウ材は「細工用銀ロウ フラックス付 RZ-117」でしたが。
素人の自分の場合は「粉末銀ロウ RZ-150」を使って、置きロウでやった方が良かったのかも知れません。

…と言うか、素人なのだから、
いきなり本番で試さずに、適当な金属片で練習してからやればよかった(-_-;)
まぁ、後の祭りです。


また今回、上蓋をバーナーで炙る必要があったのですが。
そのすぐ裏側には板バネがあります。
この板バネは、下手に炙ると高熱で張力が無くなってしまうそうです。
自分は、直接 火が当たらない程度にしか気をつけませんでしたが。幸い問題は起きませんでした。板バネはこの後も正常に使えています。


ロウ付け後、仮組をして、一週間ほど毎日ライターで火をつけたり消したりを繰り返しましたが。
ロウ付けした箇所はしっかりと付いてるようで、その箇所が取れたり歪む様な事は起きませんでした。

なので、改めて全体を磨いてみました。

良いですね。
最初に比べて本当にきれいになりました。

この後ですが、まだ迷っているのですが。鍍金をかけれないかと考えています。
このJUNIORは、錆を取る際に鍍金まで取れてしまっています。
鍍金が無くても、上の写真の通り十分にきれいな気もするのですが。
鍍金がないので錆びやすい事は分かっています。
さて、どうしたものか。

0 件のコメント: