2015年7月12日日曜日

StreamLineの修理 其の三

The repaired IMCO Streamline

前回からの続きです。


前回、次の様に修理箇所をまとめました。
   1.着火機構のアーム状の部品の爪
   2.太いスプリングを押える部品の爪
   3.着火機構のアーム状の部品の爪が引っかかる先の穴
   4.上部の蓋が閉じたときに引っかかる本体の爪
   5.リベット(軸)
   6.全体の錆び・煤
そして、「6.全体の錆び・煤」については前回 取り上げました。

今回は「5.リベット(軸)」を取り上げたいと思います。数字を振ってるのに順番を守ってませんが、気にしない事にします。

Replace the rivets of IMCO
上の写真は、修理したリベット箇所の、別角度からの写真です。
通常は、奥のスーパーの様になっていますが。
手前の通り、真鍮釘を加工して作った軸を、Eリングで留めています。

これ以外にも以下の写真の様なことを試しています。

上から、除去したリベット(軸)、M2のボルト・ナット、ステンレスの割りピン、鉄製の割りピンです。
ちょっと見難いのでアップしたのが下の写真です。

ここで一つ気付きがあります。
上のクローズアップした写真で、改めて「除去したリベット(軸)」を見ると、溝が2本出来ています。
この2本の溝は、最初からあるのではなく、恐らく長年の使用で本体と軸が擦れ合い磨耗して出来た溝です。
この溝は、ヤスリをガタつかせる為、着火率を悪くします。
実際に、リベット(軸)を除去し、別の代替部品に置き換えると、かなり着火率が改善しました。
長年使用して着火率が悪いと感じてるイムコは、一見リベットを交換する必要が無くても、検討する価値があると思います。但し、見た目はリベットと変わってしまうので、そこはトレードオフですが。

色々なリベット(軸)の代替部品を試しました。
最初に試したM2のボルトは、長さが長すぎたのでペンチで切って短くしています。綺麗に収まるし、取り外しも簡単なのですが、ネジですので螺旋状の溝があります。ステンレス製のボルトの溝が、長年使われてきた本体にダメージを与えないのか?と心配で、結局採用しませんでした。

次に、ステンレス製の割りピンを試しました、割りピンには溝はありませんが。
これもステンレス製は非常に固く、セットするのも大変なくらいで、結局、本体にダメージを与えないのか?と心配で、採用しませんでした。

次に、鉄製の割りピンですが。
これは、ステンレスの様に固くなく、本体へダメージを与える可能性も低いと思われる上に、セットし易いです。
再利用は出来ませんが、気軽に軸を留めるには丁度良い方法だと思いました。
見た目は、あまり良くないので、最終的には別の方法で修理していますが。
暫定的に留めておくには良い方法だと思います。


最終的には、上の写真の様な修理を選びました。
真鍮製の軸の端に溝を作って、Eリングで留めています。
リベットとは違った趣になってしまいますが。総合的には一番良い方法だと思います。


この軸の案ですが。元ネタは某巨体掲示板の2ちゃんねるです。
一番参考になる書き込みを下に引用します。
IMCOを語るスレ 10.00 (529-539抜粋)
上記のリンク先の内容の、次の箇所です。

> 529 :774mgさん:2014/06/12(木) 14:49:44.44 ID:SC5tsnNB.net
> とりあえずバラして組み上げるのに必要な固定ピンの図面描いてみた
> 誰か量産化してくれ
>
> ~~~~~
>
> 539 :526:2014/06/13(金) 11:46:02.87 ID:Erk423t2.net
> >>534
> 改訂したので許してください><
> http://i.imgur.com/NRpEvuH.jpg?1

上記の引用に出てくるURLをクリックすると、軸の設計図が得られます。
他にも加工方法など、スレッドを追っていくと詳しく分かりますが、その引用は割愛します。
次に書く加工方法については、ほぼスレッドから得た知識です。


設計図を元に直径2mmの真鍮釘を用意します。

写真には無いですが、Eリングも用意します。

この真鍮釘に、下の写真の要領でEリング用の溝を掘ります。
真鍮釘をドリルで挟んで回します。そこに鋸の歯を当てれば、真鍮釘が削れて溝が出来ます。


溝彫に使うのは、下の様なのこぎりでピラニアソーと呼ばれる物です。
鉄材にも対応した物を選びます。


軸の長さを整えるには、下のようなペンチやニッパーを使います。


そして、切った後は、ヤスリがけをします。
ドリルで軸を回しながら、ヤスリに擦り当てると、簡単に均一に切り口を整えることが出来ます。
写真の鉄や擦り以外に紙やすりなども使えます。

この様な道具を駆使し、地道に真鍮釘をリベット(軸)の代替部品へと加工します。
加工してEリングを使いセットしたのが下の写真です。
見た目はリベット(軸)とは変わってしまいますが、機能的にはなんら問題はありません。
また、真鍮製ですので、この軸に溝が出来る可能性はあっても、本体の金属へダメージを与えることは無いと思います。

本体に優しいこの方法が、自分は総合的に良いと感じています。



   1.着火機構のアーム状の部品の爪
   2.太いスプリングを押える部品の爪
   3.着火機構のアーム状の部品の爪が引っかかる先の穴
   4.上部の蓋が閉じたときに引っかかる本体の爪
   5.リベット(軸)
   6.全体の錆び・煤

今回は、「5.リベット(軸)」について書いてみました。引き続き次回以降に別の項目を書きたいと思います。

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