2025年3月5日水曜日

Collection No.126



No.126 IMCO-TRIPLEX 無印 シルバーケース付き 「MADE IN FRENCH ZONE AUSTRIA」

購入時期: 2022年4月
購入先: ヤフオク(出品者県:広島県)
購入額: 17,100円(送料込み)
状態: 中古

当ブログでは SUPERやJUNIOR ではないTRIPLEXを「無印」と呼んでいますが。
1937年から、、、恐らく1960?年代くらいまで製造されていたロングセラーなライターです。 
今回はその中でもとびっきり珍しいTRIPLEXを紹介します。
先ずは、シルバーケース付きなので、その一周を写真で見てみましょう。
側面は最初の写真にありますので、次は正面。

そして、反対の側面です。


背面には特に何もありません。


上蓋を上げて、ヤスリ周りはこのような感じです。
フリントホイールの両側に歯車があるタイプです。


頭を引き出してみました。シルバーケースも脱いでみました。
シルバーケース内の側面の模様は次の通りです。


反対側の側面にも同様の模様があります。


頭を引き出したあと、背面からフリントを入れます。


オイルタンクは、3つに分割できるタイプのタンクです。


シルバーケースの内側はこんな感じです。プレス?で作ってる様です。

そして、これがこのライターの一番すごい所です。
シルバーケースも貴重なのですが。底面の刻印が、これも凄いレアです。
「MADE IN FRENCH ZONE AUSTRIA」と刻印があります。

IMCOと言えばオーストリアですが、FRENCH?フランス??となる刻印です。どう言う事でしょうか。
これは、オーストリアの歴史が関係します。簡単に書くと、
1945年の第二次世界大戦終結後、オーストリアはイギリス、アメリカ、フランス、ソ連の連合国によって分割占領されます。この時、ウィーンもその4か国によって分割されて占領される事となります。そして1955年まで分割占領が続きます。
この間の約10年間は、当然「MADE IN AUSTRIA」とは刻印できません。
その為、「MADE IN FRENCH ZONE AUSTRIA」このような刻印をするに至ったのだと思われます。日本で言う所の「Made in Occupied Japan」でしょうか。ただ、日本の刻印と同様に扱ってよい状況だったのかは、知識がなくて分かりません。

この刻印を約10年間使い続けていたのか?と言うと、多分違う気がしています。
「MADE IN AUSTRIA」とは刻印できませんが、「PATENT AUSTRIA」なら刻印できたかもしれません。
もし、約10年間「MADE IN FRENCH ZONE AUSTRIA」と刻印されてたのであれば、オークションサイトでもう少し多くこの刻印の物が出品されてるのを見られる様な気がします。でも、実際には稀であまり見る事がありません。恐らく、最初の1~2年程度は真面目に「MADE IN FRENCH ZONE AUSTRIA」と刻印していたのかも知れませんが、その後は「PATENT AUSTRIA」に変更していたのではないでしょうか?

と言う訳で、今回は「MADE IN FRENCH ZONE AUSTRIA」の刻印がある非常にレアなTRIPLEXです。しかも、シルバーケース付きです。
ニコイチされた可能性もありますが、かなりレアな存在で、オークションでは本来の価値よりだいぶ安く落札できたと思っています。


今回の様なシルバーケース付きは、中国製のイムコのレプリカにも、同様の物があります。
しかし、、、この彫刻が、全然 雰囲気が違うんですよね。似た様なデザインでいても、そのデザインのバックグランドが違い過ぎるのか。全然 趣が違います。
恐らく、中国国内で販売するには、中国人に受ける為にそうするしかなかったのだと想像します。
中国製のレプリカは、商標云々を除けば機能的に問題が無く頑張っているのですが、こればかりはオリジナルの良さを、心底を感じます。
(注意:中国製のレプリカは、日本においては「偽物」です。)



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