2016年8月2日火曜日

Collection No.21 - StreamLineのRepair (3)


前回、このような感じで、着火機構のアーム状の部品の修理を行いました。
これによって、順調に修理できるかと思ったのですが、実際にはそう上手くは行きませんでした。



着火機構のアーム状の部品を修理することで、ヤスリを回す事が出来ると見込んでいました。
しかし、結局はヤスリが回りませんでした。


改めて、ヤスリを直に触って、ラチェット機構の歯車に、上蓋の中の板バネが引っかかるかどうか確認します。

確認の結果、歯に引っかかる事もあれば、引っかからない事もありました。どうも不安定です。
恐らく、板バネが摩耗しているのでは無いか?と思い。あまりやりたくないですが、リベット(軸)を壊して修理することにしました。


改めて、リベット(軸)を見てみると、なぜか片側だけ擦り減っています。
もしかすると、前のオーナーがリベットの除去を試みたのかも知れません。
もしくは既に、リベットを除去して修理した事があるのかも知れません。

取敢えず、作業を開始します。

先ずは、ポンチで印を付けます。


次に、直径2.0mmのドリルでリベット(軸)の頭を削ります。


今回は手強く、リューターを使って削っても見ました。


最後は、反対側から無理やり引き抜きます。


バラバラになりました。


バラバラにしたついでに、ヤスリを改めてKURE5-56漬けにします。


ばらして分かったのですが、上蓋の中の板バネは摩耗していませんでした。
(あと、前のオーナーがリベットを除去して修理した跡も見つかりませんでした。)

では、何故ヤスリのラチェット機構の歯は、板バネに引っかからないのでしょう?
と言うわけで、試行錯誤です。

ヤスリをはめてみて、指で回しながら、引っかかる場合と引っかからない場合を確認します。
どうやら、ヤスリごとズレてしまい、ラチェット機構の歯が板バネに当たらない場合があります。


上の写真の通り、ヤスリの左側に隙間が空いています。
この隙間の為に、歯が板バネに引っかかる場合と、引っかからない場合があったようです。
恐らく、今までの無理な修理が原因で、上蓋全体に歪みを発生させてしまったのだと思われます。

上蓋の歪みをラジオペンチで取ります。

取った上蓋を組みつけます。今度はちゃんとヤスリが回ります。
しかし、歪みを直した関係で、着火機構のアーム状の部品に巻いた真鍮板が本体に干渉します。後で調整が必要です。


合間に、オイルタンクの方を準備します。
Zippoのウィック半分と薬局の脱脂綿を詰め。

オイルを入れて、本体にタンクを入れれば、この通り!

何とか着火でき、この先 修理を完遂できる目途がつきました。